2024.8.5

【創業者の想い】ココロネ保育園ができるまで。そして私たちの想い。

ココロネ保育園は、名古屋市中川区の伊藤精密工具製作所が運営する「企業主導型保育園」です。

「どうしてモノづくりの会社が保育園を作ったの?」と不思議に思った人もいるはず。

そこで、ココロネ保育園の創業者である伊藤精密工具製作所の伊藤社長と専務の寛子さん夫妻に、保育園を作った経緯と、ココロネ保育園にかける想いをインタビューしました。

右:伊藤社長、左:専務の寛子さん。ココロネ保育園の創業者です。

ココロネ保育園を運営するモノづくりの会社「伊藤精密工具製作所」はどんな会社ですか?

◆伊藤社長:伊藤精密工具製作所は昭和2年に愛知県名古屋市で創業し、2027年で創業100年を迎える地元に根付いた中小企業です。主に自動車の部品の設計・製造を行なっており、50名ほどの従業員がいます。


ココロネ保育園は伊藤精密工具製作所の敷地内にあります。

モノづくりの会社なのに、なぜ保育園を作ろうと思ったのですか?

◆伊藤社長:弊社でも女性従業員が活躍しているのですが、これまでに結婚・出産を機に離職する人がいたり、離職はしなくとも、今後の働き方を模索する人がいました。

私は会社の代表としてどのように彼女たちに手を差し伸べることができるかなと考えていた時に、友人の経営者が保育園を始めたことを知り、見学に行かせてもらったのです。

その時に、本当にシンプルに「子どもたち、可愛いな!」と思ったのと、彼らからすごく元気をもらえたんです。

「子どもには無限の可能性がある」と強く感じ、「あぁ、保育園事業っていいな」と純粋に思ったのが最初のきっかけです。

保育事業をすることで、結婚・出産を機に離職をせざるを得なかった女性従業員ももしかしたらキャリアを中断しなくて済むかもしれない、会社内に保育園があることで安心して子どもを預けながら”自分らしい働き方”ができるかもしれないと思ったんです。

「伊藤精密工具製作所で働きたい!仕事を続けたい!」と思ってくれた女性が、長く活躍できるような仕組みづくりの一つとして、この保育事業をやってみようと思いました。

今では、何人かの本社従業員や併設する民間学童「ココロネ学園」の職員がココロネ保育園を利用してくれており、彼らの子育てを応援できていることを実感できて嬉しく思います。

ちなみに、伊藤精密工具製作所の従業員は、福利厚生としてココロネ保育園を無料で利用できるんですよ。

また、ココロネ保育園は「企業主導型保育園」なので、「従業員枠」の他に「地域枠」といって地域のお子さんの受け入れが可能です。

伊藤精密工具製作所はもうすぐ創立100年を迎えますが、これまでずっと地域に根ざし、地域の皆さんと共に歩んできましたので、ココロネ保育園を通して近隣の子育て世代の方々の応援ができたらという願いもあります。

「ココロネ保育園」の名前の由来を教えてください。

◆寛子さん:子どもは一人一人、持って生まれた「個性の種」があると思っています。考え方も趣向も思考も違う、世界に一つだけのかけがえのない種です。

その種から芽が出てぐんぐん伸びていく…。

そして芽が伸びて枝葉が分かれて伸びて太い木になるためには、強くたくましい根っこが必要になってきます。大きな木ほど、深くてしっかりとした根が張られていますよね。

保育園時代は特に子どもの「心の根っこ」が育つ時だと思います。「個性の種」から生まれた芽、そしてその根っこに私たちがお水や栄養分を与えられる環境を作ってあげたい。

その中で子どもたち自身が何かを感じ、吸収していってくれたらとても嬉しいです。

いつか保育園から巣立って小学校、中学校、高校…そして社会へと続く人生を支える「心の根っこ」を、このココロネ保育園でぐんぐんと育むことができたらいいな…。

そういう願いを込めて、社長と一緒に「心の根っこが育つ保育園」=「ココロネ保育園」と名づけました。

ココロネ保育園はどんな保育園ですか?どんな特徴がありますか?

◆伊藤社長:規模が小さい保育園だからこそ、一人ひとりの個性をしっかり見ることができるので、その子のやりたいことや興味のあることに寄り添って、それを伸ばしてあげる保育をしています。

◆寛子さん:保育士の先生にもいろんな研修や勉強会に積極的に参加してもらい、例えば絵本の読み聞かせ一つにしても、ただ読むのではなくて、その目的をしっかり理解して「どのタイミングで読み聞かせをするのか」、「なぜその絵本なのか」などを意識した上で行っています。

「公園に行く」という活動でも、行き当たりばったりで遊んでいるのではなく、子どもの五感を刺激することを意識するなど、全てに意味や目的を持って保育しています。

週に1回の英語レッスンは、正規職員であるスフィア先生に担当してもらっています。レッスン以外の通常の保育時間にも子どもたちと一緒に遊んでもらっているので、みんなスフィア先生が大好き!

子どもたちにとって英語が「特別なもの」ではなく、スフィア先生とコミュニケーションをとる「楽しいツール」となって、日常生活に溶け込んでいるように思います。

そしてフラダンスは月に2回レッスンがあります。先生から振り付けの意味を聞いてからハワイアンミュージックに合わせて踊るのですが、子どもたちは振りを覚えるのがとても早くてびっくり!スカート姿もとっても可愛いんですよ。

ココロネ保育園は小規模な保育園ではありますが、園という小さな一つの箱がポンとあるわけではなく、ココロネ保育園のすぐそばに伊藤精密工具製作所の本社があり、同じ敷地内には民間学童「ココロネ学園」もあり、それぞれの従業員やスタッフも常にそばにいて子どもたちの成長を見守っています。

また、伊藤精密工具製作所は創業してもうすぐ100年になる地域に根付いた会社なので、地域の皆さんとの関わりやつながりも深く、そういった方々にもココロネ保育園の子どもたちを気にかけていただいていると日々感じています。子どもたちのお散歩中に声をかけていただくことも多いんですよ。

子育てはお母さんやお父さんだけではなく、保育園だけでもなく、社会全体でしているということや「たくさんの人があなたの子育てを応援しているよ」ということを感じてもらえるのではないかなと思っています。


本社社員もココロネ保育園やココロネ学園との合同行事にスタッフとして関わっています。

◆伊藤社長:ココロネ保育園の子どもたちは、伊藤精密工具製作所の本社スタッフとの交流が結構あるんですよ!

例えばお誕生日会の時。お誕生日の子は王冠をかぶってお友だちと一緒に本社に来てくれるので「おたんじょうびおめでとう!」とお祝いします。取引先の方がいらっしゃる時には一緒にその子をお祝いしてくださるのですが、子どもたちは照れながらもとても嬉しそうです。

ハロウィンの時は仮装して来てくれます。私やスタッフからお菓子をもらって子どもたちも嬉しそうですが、大人もかわいい子どもたちの姿を見て思わず笑顔になっちゃいます。

◆寛子さん:小さなうちは、自分のお父さん・お母さんや園の先生以外の「大人」に会ったりお話ししたりという機会、実は少なかったりするんですよね。こうやって保育園の外でたくさんの大人と触れ合う機会があることも、ココロネ保育園の自慢の一つ。たくさんの人との関わりを通して、子どもたちの社会性が育まれていくといいなと思っています。

社長は時々ふらっと保育園に現れるのですが、社長が登場すると子どもたちが群がってきて大変!(笑)「しゃちょうさん」や「パパ」と呼ばれて大人気なんですよ!お膝に乗ってきて絵本を読んでとリクエストされることもあったり。ちなみにクリスマス会ではサンタに変身しまーす!


社長のお膝は子供達に大人気!

ココロネ保育園のこだわりポイントを教えてください。

【ウッドデッキテラス】
◆伊藤社長:
保育室からすぐに出られるテラスでは、野菜を育てたりプール遊びをしたりしています。外から見えにくい構造となっているので、安心・安全に遊べる場所であり、2歳までの子どもたちにとってちょうどいいサイズ感のスペースです。お湯が出る蛇口もあるので、小さな子にも優しい環境となっています。

【壁画】
◆寛子さん:玄関を入ったところと、2階の保育園入り口に壁画があるのですが、これはココロネ保育園のロゴをデザインしてくださった「カメロウ」さんというアーティストの方に描いていただきました。

これ、プリントじゃなくて、手描きなんですよ!

カメロウさんに、ココロネ保育園のコンセプトや私たちの想いをお伝えし、そのイメージで描いていただきました。ココロネ保育園で育ったお花やふたばが、空に羽ばたいていく素敵な絵です。


社長はライオン。右下の窓から手を振っているのは寛子さんです。

ココロネ保育園に通う子は小さい子が多いので、最初のうちはどうしてもお母さん・お父さんと離れるのが寂しくて泣いちゃう子もいるんです。

でも、入口にライオンさんがいたり、階段を上がった踊り場や玄関までずっと手描きの温かな絵が続いていることで、子どもたちが少しでも楽しい気持ちになってくれたらなという願いを込めています。


ライオンのたてがみの感じが伊藤社長にそっくり?!強さと優しさが絵からも伝わってくる伊藤社長ライオンです^^

【壁紙】
◆寛子さん:ココロネ保育園の壁紙は全て私が選びました!こだわりの壁紙の説明をさせていただきますね。

まず玄関は車の壁紙です。伊藤精密工具製作所は自動車関連のお仕事をしているので、それにちなんで。
ちなみに大人はこれが車柄であることに気づかない人が多いのですが、車好きの子はすぐに「あっ!くるまだ!」と気づいてくれるんですよ。おもしろいですね。

保育室は子どもたちが落ち着いてゆったり過ごせるように、植物の柄を選びました。

奥の部屋の壁はベージュのゾウさん柄です。優しい雰囲気が伝わるでしょうか?

そして実は押し入れの中にもゾウさんがいるんです。ここは先生しか見ない場所なのですが、先生たちも見るたびに元気が出るといいなという願いを込めて黄色のゾウさん!

トイレエリアは、トイレトレーニング中の子も多いので「楽しい空間」にしたくて、海の中の生き物たちがいるポップな空間です。

保育室は窓がたくさんあり、自然光が入ってとても明るく風通しがいいのも自慢です。

【耐震性】
◆伊藤社長:ココロネ保育園は新築した工場の2階にあり、最新の耐震基準をクリアした建物となっています。

1階の工場は精密機械を置いているので、少しの振動や揺れもNG。そのため、建物の基礎がものすごくしっかりと造られているので安心です。

入園を検討している方へのメッセージをお願いします。

◆伊藤社長:創業者の私たちが「自分の子を預けるならこんな保育園がいいな」という想いを形にしたのがココロネ保育園です。

小さな保育園だからこそ一人一人に寄り添う時間や機会がたくさんあり、その子の個性に合わせた保育をしていますので、ぜひ安心して預けてほしいです。

◆寛子さん:ココロネ保育園の大きな特徴の一つが、地域に根ざした伊藤精密工具製作所という会社が運営していること。

同じ敷地には民間学童「ココロネ学園」もあり、保育園のスタッフだけでなく本社や学童の職員など、本当にたくさんの大人が保育園の子どもたちの成長を見守っています。

そして私たち自身も子育て経験者なので、働くお母さん、お父さんがどれだけ大変であるか、毎日どれだけ頑張っているかを知っています。

私たちはそんなお母さん、お父さんに寄り添う存在でありたいですし、皆さんの応援団でいたいと思っています。

◆伊藤社長寛子さん:みなさんにお会いできることを楽しみにしています!

伊藤社長、寛子さん、ありがとうございました!

ココロネ保育園では、毎月の「園開放」の開催のほかにも随時見学や相談を受け付けていますので、気になった方はぜひ問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

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